事務所/販売店/飲食店 2026.06.22

照明制御は組み合わせがカギ!ゾーニング × 調光消灯でZEB Ready達成

横浜・延床面積8,000m²の新築事務所ビル。エネルギー性能の高さを大手テナント誘致の条件として「ZEB Ready認証(BEI ≦ 0.5)」取得を目指される案件で、設計事務所様より省エネ計算をご依頼いただきました。

ご依頼時の状況

事務所ビルにおける照明エネルギーは、建物全体のエネルギー消費の20〜25%を占める大きなウェイトを持ちます。当初の計画では、各階フロア全体を1系統で点灯する「フロア一括制御」、LED一律調光なしの仕様でご検討されていました。この仕様で省エネ計算(BEI算出)を実施したところ、BEI(照明)が0.85、建物全体BEIも0.62という結果に。ZEB Readyラインの0.5には届かず、目標達成のためには照明系の見直しが必要な状況でした。LED器具を最上位グレードに置き換える案はコスト負担が大きく、制御の工夫で改善する方向でご相談を受けました。

BEI試算:ゾーニング × 調光消灯のセット運用

そこで弊社からは、ゾーニング制御+調光消灯制御のセット運用を組み込んだ仕様でBEIを再試算するご提案をしました。具体的には、執務フロアを以下の6ゾーンに分割する想定で計算しました:

ゾーニングは単に「区切る」だけでなく、各ゾーンの「使われ方」を起点に区分し、JIS推奨照度を満たしつつ、各ゾーンの基準照度を最適化する条件で計算しました。

試算結果:数値で見る効果

BEI(照明)は0.85から0.48へ大幅改善(44%改善)。建物全体BEIも0.62→0.49となり、ZEB Ready認証の取得ラインをクリアできる試算結果となりました。一次エネルギー消費量で見ると年間およそ95,000kWh/年の削減、CO2換算では約45t-CO2/年の削減効果に相当します。

なぜここまで効くのか

ゾーニング制御の効果は「不要な照明を消すこと」、調光消灯制御の効果は「必要な明るさだけ点けること」。この2つは別々に使うより、組み合わせることで効果が乗算的に出ます。具体的には、ゾーニングで「使うエリアだけON」にしぼり、調光消灯で「ONのエリアも必要照度まで絞る」ことで、無駄な照明エネルギーを2段階でカットする計算となります。さらに、昼光連動を組み合わせることで、窓側エリアは日中ほぼゼロエネルギーで照度を確保できる前提で試算できます。

ZEB認証への貢献度

照明系の改善は、空調系に次ぐZEB達成の主要因。本物件では照明制御の最適化だけで建物全体BEIを0.13ポイント押し下げる試算結果となり、空調制御と並ぶZEB達成の中核施策となりました。

まとめ

LED器具の高性能化に頼らず、制御方式の組み合わせだけでZEB Readyラインに乗せられた事例。照明計算では、ゾーン区分とセンサー制御の組み合わせが結果に大きく影響することが分かる案件でした。新築でZEB認証を狙う照明設計では、制御方式の組み立てが重要な判断材料となります。