古着・ハンドメイド・リメイクが大好きな編集Oが、オススメのクリエイターを紹介する連載。
今回は、ゆるふわ感がたまらないアクセサリーやインテリアを手掛ける雑貨ブランド「kosokoso(こそこそ)」を手掛けるデザイナー・かとうゆいさんにお話を聞きました。
kosokosoデザイナー・かとうゆいさん |
名前 かとうゆい
年齢 30歳 ※2020年9月10日時点
作っているもの 樹脂を使用したアクセサリーやグッズ
活動を始めて 8年 ※2020年9月10日時点
『 kosokoso(こそこそ) 』

_どんなアイテムを作っているの?
「『おはなしを読んでいるときのようなどきどき、わくわく、まいにちがたのしくなる雑貨』をコンセプトに樹脂を使用したアクセサリーやインテリア雑貨、バッグ、ぬいぐるみなどを展開しています」。
_かとうさんが作る作品の特徴は?
「コンセプトにもある、“おはなし”を大切にしていること。作るもの一つひとつにタイトルと短いお話を添えて、手に取っていただいた方の中で自由にお話の続きを広げていって欲しいという願いを込めています! また、ごちゃごちゃしないように使う色数を制限しています。シンプルだけど遊び心のある、子供も大人も身に着けられる、そんなデザインになるよう日々試行錯誤しています」。
_作品を作り始めたきっかけは?
「幼い頃から絵を描いたり、何かを作ったりする時間が好きでした! 幼稚園児だった当時から、他の子には作れない、オリジナルなものを作りたい!という気持ちでいっぱいだったのを覚えています。将来も何かものを作る仕事がしたいと思い、美術の授業が多い高校へ進学。美術の予備校にも通って、常に何かしらの作品を生み出していました。
それから芸大生になって、クリエイターがいっぱい集まるイベントがあることを友達から教えてもらい、足を運んで見ました。色々なジャンルのものづくりをされている方がたくさんいて驚いたのと同時に、『自分ならもっとすごいものが作れるぞ!』と謎の自信が湧いてきました(笑)。それを機に自分もハンドメイドイベントに出展し始めましたね」。
_クリエイターとして活動を始めたきっかけは?
「大学の卒業制作として架空の雑貨ブランド『kosokoso』を作ったのが原点です。通っていた芸術大学では、テキスタイルデザインコースを選択していました! 自分の手で生み出す手作業に魅力を感じ、布、繊維に関する様々なことを学びました。当時はオリジナル柄をペイントした布を使い、服やバッグ、ブローチ、短編の絵本などを制作。たくさんの時間をかけて準備してきたからこそ愛着が湧いてきて、卒業後もkosokosoとして活動したい!と思い、作り手としての道を選びました。
大学では主に布や糸を扱ってきたけど、今では素材を限定せず、興味のある素材を使って作品を作っています!」。
作品作りについて |
_kosokosoのアイテムってどのように作っているの?
「今現在は、樹脂を使うことが多いです。原型というオリジナルの型を作り、そこに樹脂を流し込んで型取り。それから着色をするという流れで作っています。kosokosoの初期の頃は石粉粘土を使ってましたが、自分がそのとき使いたい!と思う素材を使って制作するようにしています。なので、ガラッと新しい素材に切り替わるときがいつか来るかもしれません…!」。
_こだわって使っている道具はありますか?
「着色をする際に使っている極細の筆です! 細かくて塗りにくい部分に色をつけたり、ブローチの裏面に『kosokoso』のサインを入れるのに役立っています」。
_デザインの参考にしているものはありますか?
「街中や本で見つけたいいなと思う色の組み合わせは覚えておくようにしています。高校生の頃、美術の予備校で色彩構成なども学んでいたので、良い色の組み合わせがあるとつい見てしまいますね」。
_思い入れのある作品は?
「“じょうぶなしょくぶつ”シリーズです。
このシリーズ、今まででブローチ、ピアス、イヤリング、リングなど色々なものに展開しているのですが、最初に発表したのがお部屋に飾れる樹脂の置物でした。2017年頃からインテリアのアイテムも作ってみたいと思うようになり、お部屋に飾れるもの第一弾として作ってみたんです。
生の植物は生きているので枯れるときが来る。リアルな造花もあるけれど、私が欲しいのはもっといきいきしてておもちゃみたいで元気が出るカラフルなもの! 心を元気にもしてくれるし、お世話しなくていい、絶対に枯れない。そんな意味も込めて“じょうぶなしょくぶつ”と名付けました。
いつでも一緒に過ごせるようブローチに展開したとき、SNSですごく多くの方に見ていただけて嬉しかったし、自信にもなりました」。
_作家1本で生活しているの?
「現在は、kosokosoのお仕事のみをしています。
大学生の頃に就職活動もしていたのですが、“その会社をどう発展させたいか”という気持ちより、“会社で得た経験をどうやってkosokosoの活動に活用しようか”というようなことしか考えていないことに気付きました。それから就職活動は早めに切り上げ、kosokosoの活動をすることを選びました。初めはアルバイトしながら制作活動をしていましたが、ありがたいことに制作も忙しくなって両立が難しくなったことをきっかけに制作活動に専念し始めました」。
いつも思っていること |

_仕事をする上で、大変だなと思ったことは?
「同じ月にいくつかイベントが重なったときや、締め切り日近くになると睡眠時間が取れなくなることが大変だなと思います。一人で制作、事務作業もしているため、無理なスケジュールになってしまうことも多々。そんなとき、家族や飼っている動物たちに助けられているなと改めて感じます」。
_嬉しい、楽しいと思ったことは?
「日本だけでなく、海外の皆さんにもkosokosoのことを知ってもらえて、さらにアイテムを使っていただけていることが本当に嬉しいです。今まで作った作品何千〜何万個が誰かが持っていてくださるんですよね…なんだか感慨深いです。それに、色々な方と関わることができるのが楽しいです! 就職していたら関わることがなかったはずの会社やお店の方、作家さん、お客様など。私自身が人見知りであまり積極的に話せなくて、本当はもっと皆さんと仲良くなりたいのに…と葛藤していたりします」。
_いつも大事にしていることを教えてください!
「“誰かのマネだ!”と言われないようなオリジナルを作ることが大切だと思います。お花やクマなど、多くの作家さんが作るモチーフでも、色やデザイン、質感、制作方法で自分らしさが出せるように心掛けています! あとは、周りに影響されないよう、自分の感性を信じること。世の中の人全員に好かれるのはとても難しいことで。本当に直すべき点は直す、聞かなくてもいいことは耳にも頭にも入れない、応援して下さる方を大事にする、感謝の気持ちを忘れないなどが大切だと思います!」。
これからについて |

_目標はありますか?
「誰でも気軽に立ち寄れる、小さなアトリエを持ってみたいです。もちろん制作もしなくてはいけないので、月に数日だけオープンで、どこにも出していない一点物をいくつか並べたり…いつかできたらいいなと思っています。それと、小さな子からおじいちゃんおばあちゃんまで多くの人にkosokosoを知ってもらえて、“楽しいものを発表し続けるブランドだね”と言ってもらえるようになりたいですね」。
_最後にメッセージをお願いします!
「実際に足を運んで色々なものを見たり、経験したりしたことで、新たな発見や好きだと思えること、やりたいことが見つかるのでは?と思っています。私もなかなか新しいことに挑戦できないタイプなのですが、やってみたら楽しいじゃん、思ってたより難しくなかった、なんてことがよくあります。自分がこれからやりたいと思っていることを実際に声に出して誰かに伝えてみるのもいいかも。話すことで手助けしてくれる人が現れたり、考えがまとまったり、良い方向へ進むかもしれないですね」。
お話を聞いてみて… |

デザインフェスタを歩いていたとき、可愛いの置いてるぞと思って近づいたのがkosokosoさんのブース! 色々とものづくりをしている私ですが、どんな素材で作っているのか一目でわかりませんでした。何で作っているかわからないのって他にはないオリジナリティーを感じられてすごく興奮するんです! ほんわかしているイメージのかとうさんに、ものすごく試行錯誤と努力を感じました。それがあの唯一無二な世界観を生み出しているんだなと。質感が面白いのでぜひ実際にみて欲しいですが、オンラインでも販売されているからチェックしてみてください!(編集O)
【kosokoso(こそこそ)】
Instagram:@kosokoso1
Twitter:@kosokoso11
Web site:kosokoso1
minne:@kosokoso
構成・文/大西美音