【憧れの職業密着】スイーツアーティストってどんなお仕事?~人気アーティスト・KUNIKAさんに密着~

誰もが憧れるさまざまな職業に密着して、その仕事内容にクローズアップ! “なりたい自分探し” のヒントにしてもらおうというこの企画。今回は、スイーツアーティストをピックアップ!

国内外を舞台に、独自の感性をアイシングクッキーやケーキなどのスイーツで表現し続ける、人気のスイーツアーティスト・KUNIKAさんに密着! 日頃の活動や第一線で活躍する今日に至るまでの歩みを、じっくりと伺ってきました。

スイーツアーティスト・KUNIKAさん

【 PROFILE 】

Name:KUNIKA
Age :  31
Career : 7年(2020年9月時点)
Instagram : _kunika_
HP : http://kunika-sweets.com/

 

高校を卒業後、日本菓子専門学校で学び、星付きホテルとして名高い「マンダリンオリエンタル東京」でパティシエとして働く。その後アパレルブランド勤務などを経て、2013年よりスィーツアーティストとして活動開始。アイシングクッキーやケーキなどで独自の世界観を表現し、発信し続けている。キャラクターやブランドなど、様々な企業とのコラボ作品も多数。2017年に渡英し、ロンドンの有名カップケーキ店でシアターペストリーシェフとして勤務しながらヨーロッパ各国を巡る旅へ。2019年に帰国し、現在に至る。

“スイーツアーティスト” ってどんなお仕事?

ースイーツアーティストって、パティシエとは違うんですか?

「スイーツ(お菓子)を作っているという点では変わりませんが、私はクッキーやケーキに “アイシング” という、シュガーパウダーを使ってデコレーションをすることでアートとして表現するお仕事をしています。実店舗でお菓子を作って販売はしていませんが、もちろん食べてもおいしいスイーツを作っています」

ーこの仕事を目指したきっかけは?

「中学1年の時、職業体験の授業でケーキ店に実習に行って、イチゴのショートケーキを作ったことがとても楽しかったんです。その時に直感で、将来は菓子専門学校に進むことを決めました。でも高校卒業までは部活で水泳や飛び込みに熱中していて、かなりアスリートな生活を送っていました。自宅でお菓子を作ったりは、ほとんどしなかったですね」

アイシングを入れる絞り袋の先端の幅によって、線の細さを変えて模様をつけていく

ーキャリアとしてはパティシエからスタートされたんですね

「専門学校を卒業して、マンダリンオリエンタル東京で2年間、パティシエとして働きました。毎朝5時起きで、まずは “Happy Birthday” のプレートから任されて。最初はぜんぜん出来なくて居残り練習してました。その時、私は文字を書いたり、くるんって飾り枠を描くのが好きだなぁって実感したのを覚えています」

大好きな洋服とスイーツを追い求めたら、スイーツアーティストにたどりついた
個展を開いた時のパンフレット

ースイーツアーティストとして活動し始めたのはいつ頃から?

「もともと洋服が好きで、高校3年の時、文化祭のファッションショーでショートケーキをテーマにした洋服を作ったんです。この経験からモノ作りにハマって、個人でスイーツをモチーフにしたアクセサリーを作っては作品展に出品したり、個展を開いてました。その頃、偶然アイシングクッキーのことも知って。形も色もデザインも自由に作ることができるので、これは自分の作りたいものを表現するのにピッタリだと、直感から独学で始めたんです。

そんな時、たまたま個展で私のアイシングクッキーを見たと、当時憧れていた雑誌のモデルさんから『ぜひ自分のスタイルブックに載せたい』とオファーが届きました。この出来事をきっかけに、雑誌やアパレルブランドからアイシングでデザインしたクッキーやケーキの製作を依頼されるようになっていきました。

当時はこの仕事で食べていける自信もなかったので、アパレルの仕事を掛け持ちして両立させていました。でも次第にスイーツの仕事の比重が多くなり、 “スイーツアーティスト”として独立する決心をしたんです」

ディズニーやサンリオなどのキャラクターをモチーフにした仕事や、アパレル商品のデザインなど、スイーツを通して幅広いジャンルでご活躍ですね!

「当時はまだアイシングクッキーも今ほど知られていなかったし、たくさんのお仕事をいただけたことはすごく感謝しています。でもある時、自分の中で出し切った感があって、充電しないとこれからの創作活動は続けられないなと思ってしまったんです。昔から自分の直感や好奇心を信じて行動してきたので、この時もインスピレーションを信じて、ひとりでイギリスへと渡りました。渡英後、カップケーキの名店の扉を叩いて、1年間働かせてもらいました。

イギリスのカップケーキの名店「PEGGY PORSCHEN」で働いた

毎朝3時半起きでお店に通っては、パティシエとして働いてました。初めはキッチンで作業していましたが、後に”シアターペストリーシェフ”という、外からガラス越しに見えるカウンターでカップケーキを作って披露していました。お客様の反応をダイレクトに感じることができて、とても貴重な経験となりました。この間、イギリスでアイシングは全く作っていなかったのですが、気がつくとアイシングの材料を探してたり、自然と関心が向くのはやっぱり私、作りたいんだなって。スイーツを通して表現したいんだって、再確認することができました。昨年帰国し、今もこうして作っていると、自分でも2年前とは違っていい意味で余裕をもって創作できているし、作風も変わったなと思います。最近はバラなどの花をモチーフにしたものや、海外の美しいタイルからインスピレーションを得た作品が多くなりました」

2020年の個展作品
私の仕事に必要な “三種の神器”

―KUNIKAさんの仕事に絶対に必要な道具を教えてください

「アイシングでのデザインをイメージする時に欠かせないのが、この3つです。

(手前から時計回りに)

ウェディングの本…ロンドンの古本屋さんで見つけました。写真がきれいでデザインを考える時のインスピレーションに役立ちます。また色の組み合わせやカラーバランスを見る時もよく開いています。

色鉛筆…クライアントにデザインを描いてイメージを共有する際に重宝しています。これだけきれいな発色だと、アイシングのニュアンスも確実に伝えることが出来るんです。

香水…集中力を高めて作業しなければならない時に愛用しています」

未来のスイーツアーティストへ

 

ー最後に、KUNIKAさんのようなスイーツアーティストになりたいという皆さんへ、メッセージをお願いします

「”好き”という気持ちが、一番の原動力になると思っています。私もいつも、自分の “好き” という気持ちに正直に向き合ってきたからこそ、今の仕事にたどりつくことができました。夢はいくつあってもいいと思うし、たとえ今見つからなかったとしても、何かをやってみたいと思う好奇心だけは、持ち続けてほしいなと思います。私自身もそうありたいという気持ちもこめて

“Keep on dreaming”

という言葉を皆さんに贈りたいと思います」

 


撮影/渡邉まり子
構成・文/松野実江子.