<本当においしいパン屋さん>本場ノルウェーの味を日本で堪能「VANER(ヴァーネル)」

mer編集部が厳選した、都内で穴場のパン屋さんをご紹介する<本当においしいパン屋さん>連載。第3回目は谷中にある「VANER(ヴァーネル)」に取材してきました!

京都から単身、ノルウェーへ。「VANER(ヴァーネル)」オープンまでの軌跡


2018
8月にオープンし、今年で創業3年目を迎えるベーカリー「VANER(ヴァーネル)」。昭和13年築造の日本家屋をリノベーションした店内は、木のぬくもりを感じる温かい空間。パンをこねるスタッフの方々が、笑顔で迎えてくれます。

 

サワードウブレッド¥1200 大きな見た目がインパクト大!


VANER
最大の特徴は、欧米では定番の「サワードウブレッド」を扱っていること。サワードウブレッドは、小麦粉、塩、水のみでつくった発酵種を使用してつくるパン。長時間じっくり低温発酵させることで、酸味と小麦の甘味を感じる、もっちりした食感に仕上がります。

「天然酵母の中にはさまざまな菌が含まれており、時間や気温、湿度によって発酵具合が変わるんですよ。ヤクルトやヨーグルトのような味がする日もあれば、りんごのような香りがする日もあり、日によってまったく違うんです。甘味、酸味、旨味……その美味しさを全面に出したのが、『サワードウブレッド』です」(宮脇さん)

ヘッドベイカー・宮脇司さん(以下宮脇さん)がパンづくりをはじめたきっかけは、大学時代にさかのぼります。youtubeでアメリカの人気ベーカリー『Tartine Bakery(タルティーンべーカリー)』の動画を目にしたことを機に、京都のベーカリーで勤務するも、パンづくりには携われない日々。

1年間、ずっと皿洗いをしてカレーを煮込む日々が続いて……。一時、パン職人になることを諦め、ワーキングホリデーでノルウェーに赴きました」(宮脇さん)

その後、しばらくノルウェーのコーヒーショップで働く日々を送っていた宮脇さん。常連客に「家でパンを焼いてみたら?」という言葉をもらったことをきっかけに、本格的にパンづくりに取り組み始めます。

「サワードウブレッドを独学で焼き始めたのですが、なかなか理想の味にならなかったんです。そこで、Instagramでフォローしていた近隣のパン屋に一番乗りで訪問。7日間通い詰めてアドバイスをもらいました。ちょうど人手不足だったようで、そこで働けることになったんですよ」(宮脇さん)

こうして、晴れてパン職人となった宮脇さん。修行を積んだ後、サワードウブレッドを扱う8ヵ国のベーカリーをめぐり、帰国。VANERをオープンさせます。

3ヶ月で20回飛行機に乗り、15店舗まわりました。滞在期間が限られていたので、Instagramをフル活用して、各国のベーカリーとコンタクトを取ったんです。紹介が紹介を生み、当初立ち寄る予定がなかったベーカリーにもうかがうことができました」(宮脇さん)

天然酵母を使用して作ったパンなど計5種類



早速、おすすめパンをいただきます!サワードウブレッドは、外はパリッと、中はもちもちとした食感が魅力。香ばしさとみずみずしさのバランスが絶妙です。
「ジャムやバター、オリーブオイルをつけて食べるのはもちろん、シチューに絡めてもおいしいですよ!」(宮脇さん)

サワードウブレッドと同じ酵母を使用し、砂糖とバターを混ぜ込んで焼いたのがカルダモンロール。カルダモンの実から手作業で一つひとつ種を取り出してつくられます。


カルダモンの爽やかな香りとバターの濃厚な味わいが◎。砂糖の甘さがじゅわりと口いっぱいに広がります。
シナモンロールは、ぎゅっと詰まった小麦の風味とほんのり漂うシナモンの香りの相性が抜群。ふんだんにアイシングしたシナモンロールをイメージしていると、驚くかもしれません。

左からシナモンロール¥300、カルダモンロール¥300、パンオショコラ¥350、クロワッサン¥300、サワードウブレッドバンズ¥400(※サワードウブレッド、シナモンロール、カルダモンロール が天然酵母を使用したパンです)

「ただパンを提供するだけではなく、コミュニティとして街に馴染むようなベーカリーであれたら。お客様とのコミュニケーションも楽しみたいですね」と語る宮脇さん。

毎日改良を続けているというパンは現在5種類に厳選していますが、今後はトーストのメニューを増やす予定もあるのだとか。進化し続けるベーカリーの今後が楽しみです。

【SHOP INFO】

「VANER(ヴァーネル)」

  • 住所:東京都台東区上野桜木2−15−6 上野桜木あたり2
  • 営業時間:9:0018:00
  • 定休日:月曜・火曜(月曜が祝日の場合は営業)
  • HP:https://vaner.business.site/

写真・文・構成/高橋まりな