注目クリエイターvol.10 ジュエリーデザイナー・深光未来さん

古着・ハンドメイド・リメイクが大好きな編集Oが、オススメのクリエイターを紹介する連載。
今回は、自然の現象や色をテーマにしたジュエリーブランド『MIKU FUKAMITSU(ミクフカミツ)』のデザイナー・深光未来さんにお話を聞きました。


ジュエリーデザイナー・深光さん

名前 深光未来(ふかみつ みく)
年齢 27歳 ※2019年12月8日現在
作っているもの 金属や天然の石などを使ったジュエリー
ブランド歴 6年
※2019年12月8日時点

『MIKU FUKAMITSU』

_どのようなコンセプトで作っているの?
「天然の素材」「自然の色」「気取らない人」
が「MIKU FUKAMITSU」のコンセプト。

「天然の素材」
…人の力が加わっていない自然なままの状態

「自然の色」
…どんな方にでも馴染む自然の色

「気取らない人」
…ジュエリーが嘘の自分を表すツールではなくて、本当の自分を表すツールとなること

「この3つを軸に、自然の流れや形、現象をシーズンのテーマにしています。また、日常の中で自然と身に着けておきたくなるような、ワードローブの一部になれるジュエリーを作りたいとも思っています」。

 

一見普通のリングに見えますが、表面が水面のようにでこぼこしています。

_深光さんが作るジュエリーの特徴は?
「まっすぐで機械的な線のものは作らないことです。
若干のうねりやちょっとした曲がり具合が付け心地の良さにつながってくると思っています。ブランドの立ち上げ当時、付け心地の良いジュエリーを作りたいと漠然と考えていました。でも、実際言葉として表すのが難しいなと思ったんです。そんなときに『流れとかたち』という物理の本に出会いました。自然が織りなすいびつな形には、何も無いようですべてに法則性があることを知りました。そこから有機的なかたちを作ることで、人も自然物だからこそ人に馴染みやすく、付け心地が良いなと感じてもらえるようなものになると、答えが見えましたね」。

 

_ブランドの定番アイテムは?

「立ち上げ2シーズン目の“mist(ミスト)”というコレクションから製作している「たなびく霧」というリングには思い入れがあり、ブランドがなくなるまで定番として出していこうと思っています。
以前、一人旅で北欧のスウェーデンとフィンランドへ行ったのをきっかけに、北欧の霧がかった田舎の湖や街の風景、静寂の中にある強さにとても惹きつけられました。私はあえて霧というはっきりと目に見えづらい、どういう形をしているのか分からないような現象を硬い素材の金属を使って表現したいと思いコレクションに落とし込んでいます。コンセプトにもある着用者に馴染むように作ることを意識して、何度も着用感を確認しながら作製しました」。

 

ブランド「MIKU FUKAMITSU」ができるまで

 

_作品を作りを始めたきっかけは?
「学生時代に校内で行われた、ブランドを立ち上げてアイテムを販売する企画に参加したのがきっかけ。
当時は樹脂で作品を作っていたのですが、1つあたりの単価が安かったり、自分で作れる数に限界を感じていました。新しい素材に挑戦しようと思って目を付けたのが、今メインで使っている金属です」。

 

_ブランドはいつから始めましたか?
「6年前に金属メインの『MIKU FUKAMITSU』を始めました。私の通っていた文化服装学院では、派手なデザインや形も受け入れてもらいやすかったのですが、学校外のお客様はどんな印象を持つのか気になって、本格的に活動を始めました。
学校を卒業してからは、アパレルスタッフやチョコレート屋さんでバイトしながらブランドと両立していました」。

 

_ブランド名を名前にした理由は?
「何か意味のあるブランド名にしたとき、その名前から作品に対する先入観を持ってほしくなかったので自分の名前に。
人の名前ってどういう人物か知らないとイメージが付かないですよね。あえて名前にすることでまっさらな状態から作品に触れてもらえるかも!と思って付けました」。

 

作品作りについて

 

_ジュエリーってどうやって作っているの?

①シーズンテーマを言葉やイラストで書き起こす。
②ワックスというロウを使って形作ったり、デザインのスケッチをする。
③キャスト、磨きをかける。
④加工するものがあればプラスで加工する。

「本当はもっと複雑ですが、ざっくりと言えばこのような工程でジュエリーを作っています。材料として使っている宝石は、日本をはじめ海外に買い付けに行ったりもしています!」。

 

_デザインの参考にしているものはありますか?
「『MIKU FUKAMITSU』の根幹にあるのは、北欧のデザインや文化です。
ニナ・キャネルという現代アーティストのクスッと笑っちゃう不思議な作品集や、アルヴァ・アアルトという建築家や北欧の自然と共存する建物やデザイン、本に影響を受けています。北欧の作品からは、人工物と自然物を合わせたときの美しさを感じます。私も規模は全く違うけど、人工物(ジュエリー)と自然物(人間やいきもの)を美しく共存させられたらと思っています」。

 

_作品を作る中で、大変だなと思ったことは?
「一番大変なのは、お金の面。
MIKU FUKAMITSUではPOPUPやお店へ商品を卸すことが多いため、在庫を多く抱えなければいけません。1つのデザインに対して9号、11号、13号と多くのサイズ展開が必要ですし、サンプルを作るのでさえ値が張ります。金属は時価によって価格が違うので、値段設定や在庫数を決めるのにも時間がかかります。ジュエリーは流行りもあり、似たような安いリングでいいやって思われることも多いのですが、材料費やパッケージ、その商品に費やした制作費、工賃など裏の努力、見えないものの価値に対して値段があること、それに対して対価を支払っていただけることがどんなに価値のあることか、消費について考えてもらえたら嬉しいです」。

 

_流行りのリングの重ね付け、どうやったらオシャレ?

リングはバランス感が重要。ポイントは2つあります。

①ボリューミーなリングを持っていたら、それを軸に!
「ボリュームのあるものが好きな方って大振りなリングしか買わない傾向にあります。全部大きいリングにするのではなく、1つ大きいものをベースに細いものと組み合わせてみましょう! 枠組みになるシンプルで万能に使えるもの、シーズンレスで使えるものをいくつか持っておくと便利ですよ」。

②大きいもの、デザインが凝ったものは真ん中に付けよう!
「リング初心者さんは、人差し指か中指の真ん中の指に付けるとバランスが取りやすいです。慣れてきたら、1個飛ばしで付けるのもオススメ。大きいものを付けたとき周りを細いものにすれば、すべての指に付けてもあまりうるさくなりませんよ!」。

 

これからについて

 

_ブランドを作り上げていく上で大事にしていることは?
「やり続ける精神力+体力が大事!
若いときの勢いやこうだ!と思って突き進むときのエネルギーは大事にするべき。熱を持っている状態の人しか引き寄せられない人や言葉があると思います。何も分からないながらも手探りでやっていた、ブランド立ち上げ当初の熱量を今超えることはできないと思います。それだけ体力は重要。自分がやらなくても誰かがやってるからいっかって思う気持ちもわかるんですが、それに負けない自分の気持ち、ブランドを続けたいという気持ちを常に持ち続けるモチベーションと体力が一番だと思います」。

 

_ブランドとしての夢や目標は?
「今の現状を維持したいです。
最初は作品を見てもらうにはどうしたらいいか、ここで販売するにはどうしたらいいかと自分のことばかり考えていました。今はやりたかったことがだいたい叶って大人になったので、自分のブランドを通してどうやって社会や他者に貢献できるか、どういう風に世間にアプローチできるのかを考えるようになりましたね」。

 

_最後に一言!
「好きなこと、やりたいことが見つかっている人は、どんなものでも今すぐ始めた方が良いです! 迷っている時間がもったいないので、どんどん行動に移してみてください! 失敗を失敗と思わず、一つの経験と思えばOK。今しかない熱量を大切にしてください。

やりたいことが見つかってなくて焦っている人。自分は何者でもないんじゃないかって思いうこともあるのではないでしょうか。でも、それに気付けているだけで成長できていると私は思います。そんな方は、普段思っている疑問を分解してみてはどうでしょうか? 自分はこういう働き方がしたいのにその仕組みがない。どうしてだろうと思ったらどうしたらその仕組みを作れるのか、課題が生まれます。それが次に進めるきっかけになりますよね! たくさん疑問を持つことが大事だと思います」。

 

お話を聞いてみて…

女性らしい繊細なデザインの中に、強さを感じられるMIKU FUKAMITSUの作品。デザイナー・深光さん自身が芯の通った女性だからこそ、素敵なジュエリーを生み出せるんだとお話を伺って強く感じました。自然の、誰もがキレイだなと思うシーンを切り取るのが上手なうえ、作品に落とし込むのもうまい。これから一生もののジュエリーを持つとしたら、人に寄り添ってくれるMIKU FUKAMITSUで手に入れるべきだと思いました。(編集O)

 

ブランド情報

【MIKU FUKAMITSU(ミクフカミツ)】

HP:mikufukamitsu.com
 Instagram:@mikufukamitsu
BASE:MIKU FUKAMITSU

 

\information/

★東京・祐天寺にて POPUP開催

≪日時≫
2019年12月14日(土)~12月20日(金)
15:00~23:00

≪場所≫
祐天寺SEIN
〒153-0052 東京都目黒区祐天寺2丁目6-10

 

atelier MIKU FUKAMITSU にてPOPUP開催

≪日時≫
2019年12月21日(土)、22日(日)
11:00~18:00

≪場所≫
〒111-0053 東京都台東区浅草橋3丁目34-3-103

 

撮影/渡邉まり子
構成・文/大西美音