〔神保町〕カレー女子のすゝめ 辛いもの好きにオススメの「エチオピア」

カレー大好きな女優・中村美優(なかむらみゆ)が、女性にオススメのカレー屋を厳選して紹介する連載。第三回目は、神保町で30年以上愛され続けるスパイスカレーのお店「エチオピア」さんです。

案内人は…カレー女子『中村美優』

こんにちは、中村美優です。 前回お邪魔したちゃぼさんがこの夏で閉店、という悲報が耳に届きました。 あんなに美味しいカレーと優しい店主にもう会えないなんて、と肩を落としています。 ですが、カレーの悲しみを救うのも、またカレー。 神保町には、まだまだご紹介したいカレー屋さんがあります。 今回は、今や都内に数店舗を構えるカレーの名店『エチオピア』。 神保町本店さんにお邪魔しました。


元々はカレーとコーヒーの専門店で、 コーヒー豆の生産地であるエチオピアが店名の由来です。 その名残か、店内はなんだか喫茶店のような落ち着きがあります。


1~70まで辛さが選べる 1番人気のチキンカレー

今回頂いたのは、1番人気のチキンカレー。 辛さは、1から70辛まであるというのだから驚き。 1辛で中辛くらいという事なので、まずは1辛を注文してみました。 スパイス香る店内でカレーを待つ事数分。 先にやってきたのは、小皿に盛られたジャガイモとバター。 こ、これは?と、思っていると、チキンカレーも登場です。


いただきます。 一口目で、ガツンと力強いスパイスが口に広がります。ただ、 見た目よりもサラッとしていて食べ易い! スパイスの風味にこだわり、注文を受けてから1皿づつ仕上げをしているそう。 チキンはごろっとしていて食べ応えも充分。 女子にはご飯が多めなので、食べきれなさそうならオーダー時に少なめと伝えておくのがベターかも。


ごちそうさまでした。 食べ終わるとともに現れるお皿の文字が、なんだかキュンとします。 カレーと一緒に頂いたマンゴーラッシーも絶品だったので、辛さが苦手な方は是非一緒に頼んでみてほしいです。


ブレンド一筋30年!店主にしか出せないスパイスの味わい

社長の鈴木さんにじっくりとお話を伺いました。 鈴木さんのお父さんがスタートさせ、現在は31年目。まだまだ神保町がカレーの街と呼ばれる前からお店を構えています。 昔は今よりもさらさらとしたスープカレーのようなルウで、お客さんからは「こんなのカレーじゃない」と言われることも多かったそうですが、研究を重ねどんどんファンがつく名店に。 当初からお客様の声を大切に、というのがモットー。辛さが70辛まであるのも、「もっと辛いのが食べたい」という声で増えていったそう。


ここで、あの疑問をぶつけてみました。 「ジャガイモが小皿で出てくるのは…?」 なんと、ジャガイモも元々はカレーに入っていたそうなのですが、溶けてしまいスパイスの繊細な調合が変わってしまう為に別々で出すことにした、という事でした! おかわりも自由なんだとか! お腹いっぱい、美味しく食べて欲しいという配慮が、あのジャガイモには隠されていました。


オープン当時は神保町という土地柄、サラリーマンや学生が多かったそうですが、今は女性客も多いそう。むしろ辛さを求めてくるのは女性の方が多いだなんてお話をされていました。 この辛さの秘訣は“クローブ”という香辛料。 お肉のにおい消しなどに用いられるスパイスで、ガツンとした辛さを実現しているのだとか。 ただ、驚くほどに後味がいい! 油をあまり使わず、野菜の甘みを感じるヘルシーさが女性を惹き付けているのかも。


今はカレー専門店ですが、コーヒーを出していた頃もあり、社長はコーヒーのブレンドが大の得意だそう。 長年鍛えたブレンド力で、カレーのスパイスも季節によって配合を変えています。暑い夏はちょっと辛めに、冬はコクのある味わいに。 いつか食後に社長のブレンドコーヒーを飲める日が来るといいなあ、なんて贅沢な事を考えつつ、お店を後にしました。 おわり。


店舗詳細

○住所:東京都千代田区神田小川町3-10-6 ○営業時間:[月~土] 11:00~22:30(L.O.22:00) [日・祝] 11:00~21:00(L.O.20:30) ○電話番号:03-3295-4310


撮影:渡邉まり子
文・構成:中村美優
サポート:祖谷美帆