ファッションが好きな人にとっては、“ファッションデザイナー”は憧れの職業。よく名前は聞く反面、どんな仕事をしているのか詳しく分からないって人も多いのでは? そこで、アパレルブランド「sakishima tokyo」でデザイナーをしている岩島彩希さんにどんな仕事をしているのか教えてもらいました!
「sakishima tokyo」のデザイナー・岩島彩希さんって?
“日常の中に溶け込む無機質の中の温もり”をコンセプトに洋服を提案するアパレルブランド「sakishima_tokyo」。デザイナーの独特なセンスを生かした、ほんのり女の子らしさ漂うディテールと温かみのあるデザインが魅力的。2019年春にデビューしたばかりの今最も注目の新ブランドです。
Instagram:sakishima_tokyo
sakishima_tokyo でファッションデザイナーとして活躍している岩島彩希さん。アパレルブランドで販売員として6年間勤めたあと、26歳でモード学園に入学。卒業後、アナザーリブラでデザイナーを4年間経験し、今年の春に自身のブランド sakishima_tokyo を立ち上げました。 そんな彼女に、ファッションデザイナーの仕事について聞きました。
ファッションデザイナーとは
▷ファッションデザイナーとはどんな職業ですか?
_自らのセンスや感性を生かし、様々なアパレルアイテムのデザインをする人のことです。ファッションデザイナーは大きく分けて「企業デザイナー」と「ブランドデザイナー」の2種類があります。
▷2つの違いを教えていただけますか?
_「企業デザイナー」は、アパレルメーカーや繊維メーカーに勤務して、トレンドや世の中のニーズにあった洋服のデザインに取り組みます。 「ブランドデザイナー」は、独立して自分のブランドを持っているファッションデザイナーのことです。自分の持っているイメージを自由に洋服で表現することができます。
ファッションデザイナーになるには
▷ファッションデザイナーになるにはどうすればいいですか?
_ファッションに関する広く深い知識や技術が必要になります。なので、専門学校に通って知識・技術を身に着けるのが大切です。卒業後は、まずはアパレルや繊維メーカーに就職して企業デザイナーになる人がほとんど。そのあと、いろんなブランドのデザイナーを経験し、周りの人に実力が認められた後、独自のブランドを立ち上げる人もいます。
▷どんな性格の人が合っていると思いますか?
_自分の一番の目標がブレない人、あと続けられる人。最初は雑用が多い仕事だけども、自分の目標を忘れずに続けることが大切だと思います。 私の目標は、自分のブランドが東京コレクションとパリコレクションに出ることです。目標を叶えるためなら何でも挑戦します。まずは行動してみて、このやり方は違ったらと思ったら、また違うやり方を探せば良いと思います。
仕事の内容
▷デザイン以外にどんな業務があるんですか?
_「sakishima_tokyo」では、シーズンテーマ決めやデザイン画、絵型、寸法などを記入した仕様書を作成はもちろん、縫製工場への依頼や上がってきたサンプルのチェック、商品撮影やPRなど幅広い業務を担当しています。
▷シーズンごとの業務の流れについて教えてください
_まずはじめにシーズンテーマを決めます。そしてデザイン画を書き、それと並行して生地を選びます。絵で伝えづらいディテールは実際に作ります。 まるっとすべて作るときもあります。仕様書を作成し、作ったディテールやサンプルと一緒に縫製工場に提出します。工場から上がってきたサンプルのチェックを2〜6回ターン繰り返し、商品が出来上がり。そのあと、ビジュアル撮影と商品撮りをしてwebにアップ。商品をSNSで発信・拡散。購入したいただいたあと発送のお手伝いするときもあります。
魅力・やりがい、大変なこと
▷岩島さんが思うデザイナーの魅力ってなんですか?
_“自分のイメージが形になった洋服を着てくれる人がいる”ことですね。購入してくださった方が、私の服を使ってその人らしいスタイリングをしてくれたらいいですね。 クローゼットにあるアイテム全部、私がデザインしたものだったり、発送したときのダンボールまで部屋に飾ってくれている子もいて、とっても嬉しいです。手紙を送ってくださるお客様もいて。いただいた手紙は手帳に挟んでいます。つらいことがあったときに読み返して元気をもらっています!
▷どういうときにやりがいを感じますか?
_自分のイメージしたものが出来上がり、撮影をして写真になったときが一番やりがいを感じます。“やっと終わった~!”という気持ちです。
▷大変なこともありますか?
_やっぱりまったく商品が売れないときですね。商品たちに“世の中に送り出せなくてごめんね。”という気持ちになります。
最後に
憧れのファッションデザイナーへの道のりは厳しい分、デザインした洋服が商品になって誰かが着てくれたときの喜びや、やりがいはとても大きいと思います。また、自らの手で流行を作り出せるなど、ファッションデザイナーでしか体感できないこともたくさんあります。狭き門の職業かもしれませんが、“ファッションが好き”という気持ちと“ファッションデザイナーとしての目標”を持って挑戦してみてください!
取材・文/藤木愛
撮影/清水エリオ