例年以上の猛暑が続く今年の夏、冷房の効いた部屋で過ごしている時間が圧倒的に多くなりますよね。実は、冷房による空気の乾燥が原因で起こる「脂性フケ・乾性フケ」の存在を知っていましたか? 今回は、頭髪治療のプロが教える冷房下の乾燥ヘア対策をご紹介。お肌以上の「保湿ケア」で髪の老化を防ぎましょう。
間違って認識してない? ◯✕チェック
1. 冷房のかかった部屋にいると、皮膚内で保たれる水分量が半減する ◯ or ✕
2. 直接風があたる扇風機よりクーラーの方が髪に良い ◯ or ✕
3. 洗い流さないトリートメントは、ドライヤーの前に念入りにつけるべき ◯ or ✕
4. エアコンを掃除すると髪が傷みにくくなる ◯ or ✕
詳しくチェック!
1. 冷房のかかった部屋にいると、皮膚内で保たれる水分量が半減する→正解は◯
肌に一番負担の掛からず身体に優しいと言われている湿度は大体60~65%と言われていますが、冷房をかけている場合の湿度は50%以下がほとんど。湿度が65%ある場所から湿度50%以下の部屋へ移動すると、皮膚内で保たれる水分量はおよそ半減してしまいます。もちろん頭皮も乾燥するので、雑菌が繁殖し、痒みやフケへとつながってしまいます。
2. 直接風があたる扇風機よりクーラーの方が髪にいい→正解は✕
クーラーよりも冷たい風を感じにくいため、猛暑日は扇風機単体での使用は避けがちですが、扇風機は急激に冷えくく、頭皮の血行悪化や皮脂の固まりを避けてくれます。
3. 洗い流さないトリートメントは、ドライヤーの前に念入りにつけるべき→正解は✕
ドライヤーやコテ・アイロンは、髪内部の水分を飛ばして髪を形作っています。もちろんドライヤーの熱から守るためにトリートメントは必要ですが、 べったりと付いていると髪から水分が出ていきづらくなり、なかなか乾かなかったり、形が変わらなかったりします。そうすると“乾かし過ぎ”や“熱の与え過ぎ”によりむしろ髪が乾燥しがちです。そのため念入りにトリートメントを塗るのは「ドライヤーの後」が適切。空調を始めとする外的なダメージから髪を守るためにも役立ちます。また、仕上げとして冷風をかけて頭全体の余熱を逃がすと、”乾かし過ぎ“を防げるとともに頭皮のクールダウンを行うことができます。
4. エアコンを掃除すると髪が傷みにくくなる→正解は◯
掃除を怠っているエアコンは、冷房使用時にホコリなどの細かなゴミも大量に排出している可能性があります。キレイでない風を直接浴びると、髪にホコリなどが付着。不純物が多く付着している髪は、髪の毛 同士の摩擦が大きくなりキューティクルが傷みやすくなる可能性があります。
乾燥を防ぐ保湿アイテム&習慣
シャンプーは洗浄力が強くない&保湿力の高いものを
選ぶのは、低刺激で洗浄力が弱い「敏感肌用」「アミノ酸系」のシャンプー、または、乾燥を防ぐような潤い成分を含んでい る保湿力の高いシャンプーを取ると良いです。
シャワーは適切な温度に
シャンプーの時のお湯の温度は38〜40度を目安にしてください。熱すぎるお湯は、皮脂を溶かし、必要以上に洗い流してし まいます。また、髪の毛のキューティクルを開き、タンパク質も流してしまいます。
ドライヤーは近づけすぎずに
送風口と髪との距離を10〜20cmほど離し、同じ部分ばかり温風を当てないことが大切です。ドライヤー前にタオルドライで 水気をしっかり吸い取ることで、できるだけ温風を当てる時間を短縮しダメージを防ぐことができます。
食生活の見直しで、ターンオーバーのサイクルを整える
まず、タンパク質・ビタミンA・ビタミンB2・亜鉛といった、肌代謝を促し頭皮にも良い栄養素を含む食品を意識的にバラン ス良く取ることが必要です。そして、高い質の睡眠をとるために24時より前に寝ることが大切です。
今回、教えてくれたのは…浜中聡子さん
Dクリニック東京 ウィメンズ院長。15万人の働く女性の頭髪を救ってきた 女性専門・頭髪治療の第一人者。女性の頭髪に関するお悩みの専門医として、著書も執筆。 抜け毛・薄毛・白髪・育毛など、幅広い専門分野&高いトーク技術でファンも多い。
文・構成/馬場椎菜